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【中学受験】公立一貫校は難しい!私立入試とは「前提」がちがう

中学受験生の保護者
この春から中学受験を始めたいな。

同じ中高一貫校でも、私立と公立があるみたい。

私立と公立、どっちが対策しやすいのかな....。

あわよくば公立にしたいかな~...。

まわりのママさんたちは私立のことを話しているし、どっちが良いのかよくわからないな...。

とりあえず、公立の中高一貫校の入試について、詳しく知りたいな。

こういった疑問や不安にこたえる記事です。

筆者の紹介

こんにちは、中の人です。

文面を見て、私を誰だか察してしまう人がいるかもしれません。

地域では、ちょっとだけ有名な塾講師です。

一部ですが、中学受験指導での実績を以下に挙げておきます。(これからもっと結果を出せるように頑張ります。)

  • 首都圏模試で偏差値53から、偏差値73の男子校に合格
  • 首都圏模試で偏差値29の状態から、1年で偏差値53の中学に合格
  • 6年生の9月から中学受験をスタートし、志願倍率20倍の2科受験で特待生合格
  • 第一志望を含め、記念受験の挑戦校すべてに合格

こんな私が書く記事ですので、信ぴょう性はあると思います。

この記事の結論

結論、私立入試のほうが圧倒的に対策はしやすいです。

そして、私立の難関校の対策をしていた生徒が、公立中高一貫校に合格する傾向もみられます。

逆はほとんど聞いたことがありません。

迷ったら、私立対策型の塾を選んでおくことが無難です。

この記事でわかること

  • 私立入試と公立入試の「仕組み」と「前提」がわかる
  • 私立入試は4科目型か2科目型が主流なことがわかる
  • 公立入試は適性検査を課されることがわかる
  • 私立入試と適性検査のちがいがわかる
  • 迷ったら、私立入試に向けて勉強するほうが損をしにくいことがわかる
  • 多くの生徒にとって、私立入試のほうが対策しやすいことがわかる

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【中学受験】公立一貫校は難しい!私立入試とは「前提」がちがう

結論、公立一貫校の入試は非常に難しいです。

 

まず私立入試の前提は「知識」「解法パターン」定着です。

反対に、公立入試の前提は「推理」「論証」「言語化」能力保持です。

 

「定着」は後から身に着けることができますが、「保持」は最初から備わっている必要があります。

以下でそれぞれの「仕組み」と「前提」について、詳しく解説をしていきます。

私立入試は4科型・2科型がメイン

私立中学の試験科目

私立入試は、4科型(算数・国語・理科・社会)、もしくは2科型(算数・国語)の入試が主流です。

学校ごとに各科目の試験が用意され、それを時間内に解くといった形です。

学校によっては、国語・算数・英語の3科目型であったり、算数選抜入試、国語選抜入試などのユニークな入試方式も存在しています。

また、第一志望入試と称した「推薦入試」を用意している学校もあります。

私立中学の試験日程(首都圏のみ)

結論を表にまとめました。

地域例年の試験開始日学校の例
埼玉1/10~

栄東中

開智中

浦和明の星女子中

淑徳与野中

浦和実業中

大宮開成中など

千葉1/20~

市川中

東邦大東邦中

渋谷幕張中

国府台女子中

東海大浦安中

麗澤中など

神奈川

2/1~

聖光学院中

栄光学園中

浅野中

桐蔭学園中

逗子開成中

藤嶺藤沢中など

東京2/1~多すぎるので割愛させてください

学校ごとに試験日が異なります。

都内に住んでいる方だと、2/1の都内入試に備えて、千葉・埼玉方面の滑り止めを決めていく段取りが多いでしょう。

私立入試に向けた大まかな勉強セオリー

私立入試の対策では、科目ごとのテキストを用いて、小学校では習わないような知識・解法セオリー・解法パターンを身に着けていきます。

暗記や解法パターンを反復練習で定着させ、使いこなせるようになることが最初の目標です。

確実に定着してくると、それまでに習ってきた知識や解法を使って、問題ごとのパターンや理屈を自分で見出せるようになっていきます。

暗記や解法パターンの定着が思うように進まない子の記事については、別で扱います。

公立一貫校の入試は「適性検査」と「調査書」

結論、公立一貫校の入試は「適性検査」と呼ばれる試験と、「調査書」の提出が課されます。

都内だと、どの公立一貫校も試験日は2/3に設定されています。

適性検査は算数・国語・理科・社会の複合問題です。これがとても厄介なのです。

「調査書」とは

「調査書」とは、小学校5年生から6年生までの2年間の成績が記載されたものです。

成績とは、主に以下の3個の内容がメインとなります。

  • 各教科の学力成績
  • 出欠席の日数
  • 学校での様子

英検や漢字検定、算数・数学検定などの資格についても記載されることがあります。

受ける学校によって調査書と適性検査の配点は異なります。

公立一貫校の入試では、調査書2割、適性検査8割の配点が多いです。

適性検査の日程

結論を表にまとめました。

地域例年の1次検査の開始日学校の例
千葉

12/10前後

1月後半の学校もある

千葉県立千葉中

千葉県立東葛飾中

千葉市立稲毛国際中等教育

埼玉1月中旬

さいたま市立浦和中学校

さいたま市立大宮国際中等教育

埼玉県立伊奈学園中

川口市立高等学校附属中

神奈川2/3

横浜サイエンスフロンティア

相模原中等教育

平塚中等教育

横浜市立南高等学校附属中

川崎市立川崎高等学校附属中

東京2/3

小石川中等教育

桜修館中等教育

立川国際中等教育

南多摩中等教育

三鷹中等教育

九段中等教育

白鷗高校附属中

両国高校附属中

武蔵高校附属中

富士高校附属中

大泉高校附属中

 

都内・神奈川だと、2/3しか適性検査を受けることができません。

適性検査のタテマエ

適性検査は建前として、

  • 小学校で学習した内容をもとに出題される
  • 会話や資料を読み、自分の考えを説明することができれば大丈夫
  • その学校に適性があるかを調べるだけの検査なので、対策はそこまで必要ない
  • 私立入試のようなテクニックは必要としないので、受検に際して塾などが必要ない子もいる

といった、耳障りの良い言葉がよく聞かれます。

これらを真に受けて、公立一貫校の入試をアテにすると痛い目をみます。

適性検査の構成

私立入試が各科目ごとの試験なのに対して、適性検査は算数・国語・理科・社会の複合問題でした。

ここからは、適性検査の詳細をみていきます。

まず、適性検査は3個の種類に分かれています。ここから詳しく見ていきます。

  • 適性Ⅰ

適性Ⅰは、主に国語に該当します。複数の長文を読み比べて、作文をすることがメイン。

  • 適性Ⅱ

適性Ⅱは、主に算数・理科・社会に該当します。算数・理科・社会の基本的な考え方や、処理の技術を問われます。

  • 適性Ⅲ

統計やグラフなどの抽象的な題材から推理・論証を行い、具体的な数字を求めて言語化することが問われます。これが大変厄介。

適性検査の対策はいろんな意味で「難しい」

特に、適性Ⅲは大人でも多くの人は時間内に解ききれないでしょう。

私立入試で必要な技術は要求されないかもしれませんが、それゆえにハードな推理・論証・言語化の力が求められます

保護者
う~ん...。たしかに、推理と論証の問題は大人でも難しそう...。

でも、うちの子は作文で表彰されたり、コンクールで賞を取るくらいに作文は得意なんです!

適性Ⅰの作文も、小学校やコンクールで求められるレベルではありません

作文は、長文で書かれた2個以上の資料を比較して、他者の考え方を正確に要約するなどの大学受験レベルのものです。

しかも、適性検査で要求される力は、プロの塾講師からみて後天的に鍛えることが難しいものばかりなのです。

 

勉強せずに適性検査をクリアする子もいる

保護者

たしか、友達のママさんの家は、そこまで勉強せずに適性検査をクリアしたって言ってたような...。

知識もそこまで必要ないんじゃないかしら....。

だから、うちの子もいけると思うんです!

たしかに、適性検査を突破した子の中には、中学受験を意識して勉強したことのない子がいるのも事実です。

ただ、このような生徒には、以下のような共通する特徴がみられます。

  • 幼少期から今までずっと、難しい本を読むことが好き
  • 身の回りの自然現象に興味を持ち、本を使って頻繁に調べている
  • 博物館や美術館などで、講師やガイドの大人と遜色なく会話ができている
  • 勉強することを勉強だと思わず、好奇心を満たす楽しいことだと本気で思っている

受験を意識せずに適性検査をクリアする子の多くは、これらのケースがほとんどです。

知的好奇心に突き動かされて、幼少期から前提知識の用意ができているのです。

また、読書や勉強を親から強制されていないのもポイントです。読書や勉強を、親が強制せず後押ししているケースがほとんどです。

適性検査の対策が「難しい」ワケ

適性検査の対策のみでは、「知識」を確保するのが難しい

適性検査の対策だけでは「知識」を確保しにくいのです。

適性検査の対策では推理・論証・言語化といった思考力の養成がメインとなります。

一方、私立の入試では「知識」と「解法パターン」は前提です。

難関私立に向けた対策をメインでやっていた生徒が、適性検査を突破する例が出てくるのはそのためです。

推理・論証・言語化の反復練習ができない

結論をいえば、適性検査では、反復練習によって推理・論証・言語化の力を養成することが難しいのです。

問題や学校ごとに推理・論証のパターンが全く異なるためです。

何をどのくらい反復練習して、どの程度のことを身につければよいのかが不透明になりがちです。

 

問題演習で推理・論証・言語化の「慣れ」は後天的に作れるかもしれませんが、幼少期からの前提もあるため、根本的な対策は非常に難しいです。

勉強をこれまでしたことのなかった子だとなおさらでしょう。

適性検査のノウハウを持っている塾がそもそも少ない

先に結論を述べておきます。

適性検査のノウハウでは、都内大手だとENAが圧倒的だと言われています。

その他にも、栄光ゼミナールが運営するE-styleなどが有名です。

調べてみるとわかるのですが、適性検査を売りにしている塾はそう多くありません。

 

普通の個別指導塾で

「適性検査の対策をしてほしい。」

とお願いしてみると、渋い表情をされるでしょう。

 

対策を体系的に行うのは、適性検査専門の塾でないと難しいのが現状です。

迷ったら、私立対策がおすすめな理由

結論、迷ったら私立入試に向けた対策がよいと、私は考えています。

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科目ごとに今何をすべきか、はっきりしやすい

例えばですが、

「算数では速さの問題、社会では明治時代の暗記が課題だなあ。」

科目ごとの課題を明確にしやすいです。

さらに、

「平面図形の問題は得意だけれど、空間図形が苦手かも...。」

といった強みと弱みの対比を可視化することもしやすいでしょう。

適性検査型の問題だと、複合型の問題ゆえに、課題や強みを私立型よりも可視化しにくいでしょう。

志望校の幅が広くなる

私立中学は、似た傾向の問題を用意している学校もそこそこ存在しており

「あそこらへんの学校を受けるなら、テキストは〇〇でいいよね~!」

といった考え方が可能になります。

適性検査の対策のみだと、対応できる学校の幅が一気に狭くなります。

適性検査型の入試方式を用意している私立中学もありますが、多方面から生徒を集める機会を増やすためともいわれています。

実際に、難関と称される私立中学校では適性検査型入試を実施していないところがほとんどです。

成績と科目次第で、あとから適性検査を考えることもできたりする

難関私立に向けた対策をしていた生徒が、公立一貫校に合格してしまう例が毎年よくあります。

たとえば、こんな感じです。

「難関私立に向けた対策がまとまったので、適性検査もやってみたら合格しました!」

私が所属する塾の学生講師にも、同じような経験を持つ方がいます。

その方は、都内最難関の私立女子中学に向けた勉強をしていましたが、最難関の公立一貫校にも合格を果たしました。

なお、適性検査に向けた勉強はこの時にはやっていないとのことでした。

逆のパターンは聞いたことがまったくありません。

その理由は、私立入試と公立入試の前提が異なるためです。

適性検査に向けた勉強のみでは、多くの私立の問題には立ち向かうことができないからでしょう。

受け入れてくれる塾の幅も広い

私立の対策であれば、指導経験者がいる塾も多く、喜んでノウハウを提供してくれるでしょう。

私立対策であれば、課題や強みを講師サイドも可視化しやすくなるため、講師サイドも指導がしやすいのです。

まとめ・迷ったら、私立対策!塾や家庭教師の先生に伝えてみよう

結論、志望校に迷ったら、塾の先生にこのように伝えてください。

「私立に向けた勉強をしたいです。その後、成績的に可能であれば、適性検査の問題も見てみたいです。」

このように伝えれば、快く受け入れてくれるでしょう。

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