小学校に入学したばかりだけれど、中学受験は早く始めた方が有利なのかな...。
周囲には1年生から塾に行っている子もいるし、差をつけられないか不安...。
こういった不安や疑問にこたえる記事です。
この記事でわかること
- 中学受験を目的とした塾を考えるのは、4年生からで十分なことがわかる
- 低学年からできる勉強の準備は、計算くらいしかないことがわかる
- 逆に、計算練習と読書の習慣は、早めにつけるのが良いことがわかる
- 低学年では博物館や科学館などでの実体験の方が大切なことがわかる
- 友達と思い切り遊ぶことは、勉強でのトライ&エラーの練習になることがわかる
- スポンジのような脳みそは、健全な生活とメリハリのある習慣によってできることがわかる
目次
筆者の紹介
「中学受験のキモチ」の運営者です。
文面を見て、私を誰だか察してしまう人がいるかもしれません。
地域では、ちょっとだけ有名な塾講師です。
一部ですが、中学受験指導での実績を以下に挙げておきます。(今後、もっと結果を出せるよう頑張ります。)
- 首都圏模試で偏差値53から、偏差値73の男子校に合格
- 首都圏模試で偏差値29の状態から、1年で偏差値53の中学に合格
- 6年生の9月から中学受験をスタートし、志願倍率20倍の2科受験で特待生合格
- 第一志望を含め、記念受験の挑戦校すべてに合格
こんな私が書いた記事ですので、信ぴょう性があるかと思います。
4年生からで十分!低学年からの中学受験が危険な理由
結論、小4小5から始めてうまくいかない子は、低学年から始めてもうまくいかないでしょう。
また、以下のようなデメリットが大きく、低学年から中学受験へ参入するのはおすすめできません。
(ただ、くもんなどの塾で計算練習の習慣づくりや、理科実験教室などは低学年の頃からやっておいても良いでしょう。)
- 低学年では、勉強して得られる内容に限界がある
- 低学年から塾に入ってバリバリ勉強させると、悪い意味で塾に慣れてしまう
- 息切れをおこして、5年生後半で抜かれることが多い
詳しく解説していきます。
低学年では、勉強して得られる内容に限界がある
塾で早めに始めていれば、そのぶんたくさん勉強できるじゃないですか!
結論、低学年で定着させられる内容には限界があります。
もっといえば、小さな土台しかない低学年で、中学受験の重要知識や考え方を受け入れるのはほぼ無理です。
- 算数でいえば、計算がおぼつかない状態で特殊算が定着するわけありません。
- 社会でいえば、47都道府県の位置関係をしっかり覚えられていないのに、地域の名産品や流通ルートをイメージできるはずがありません。
- 理科でいえば、経験値が少ない状態で植物や動物の身体の作りを深く想像できるはずがありません。
そもそも、小学校の授業で社会や理科が始まるのは3年生が標準的です。
中学受験特有の考え方や、知識のシャワーを受け入れられるだけの計算力や実体験が低学年の時期は大きく不足しているのです。
幅広い知識や、柔軟な考え方を受け入れるだけのキャパシティが不足している低学年の段階では、他にもっとやるべきことがあるのです。
博物館や科学館へ足を運ぶなどの実体験を積むことが、低学年のうちは重要です。
もちろん、公園で思いっきり遊んで、友達と泣いて笑ってコミュニケーションをとることも良いでしょう。
勉強であれば、くもんに通って計算練習を習慣づけておくのも良いでしょう。
下記にある【中学受験に向けて、低学年のうちから準備できること】に、詳しく書いておきました。
低学年から塾に入ってバリバリ勉強させると、悪い意味で塾に慣れてしまう
低学年から塾に長く通っていると、手の抜き方を覚えてきます。
低学年から塾に通ってバリバリやらせるほど、長く続けるために力を抜くことが必要となってしまい、勉強の密度がどうしても低くなりがちです。
手の抜き方を子ども自身でうまく調整できるはずもなく、結果的に高学年になって重要事項を最初からやり直すはめになっている子ばかりです。
そして、こういった生徒の多くは後からスタートした子に成績を一気に抜かれて
「自分の方が先に始めたのに...。」
と自信を失うパターンも多く見られます。
こういった生徒の結果は言わずもがなでしょう。
本当によくあるパターンです。
息切れをおこして5年生後半で抜かれることが多い
中には勤勉で、ほとんど手を抜かずに低学年からバリバリに勉強をこなせる猛者もいるでしょう。
そういった子は5年生中盤くらいまでは模試で成績が良かったりするものの、5年生の11月くらいから急に成績の上昇がストップする現象がよくみられます。
多くの4,5年生から勉強を始めた生徒が5年生の後期で伸びてくることで、この現象は引き起こされます。
早めに始めていたにもかかわらず、成績の伸びが止まった生徒や保護者は
「ここまでやっても努力が足りないのか」
と問題の本質を客観視できず、意味のない精神的消耗を繰り返して、最悪の場合やる気を失ってしまいがちです。
みんな頑張っているんだな!よし、気合いを入れなおそう!と、前向きに解釈できるかが大事ってことですね。
中学受験に向けて、低学年のうちから準備できること
結論、以下の通りです。
- 読書や計算練習を習慣化してしまうこと
- 博物館や科学館、実験教室に足を運んでみること
- 公園やプールなどで、友達とたくさん遊び、失敗を経験すること
読書や計算練習の習慣をつけてしまうこと
結論、読書と計算練習だけは早めに習慣化するのが良いでしょう。
まずはくもんに通ってプリントで計算練習する習慣をつけることがおすすめです。
ほかの方法もありますが、低学年の子が計算練習を習慣化するなら、くもんに通うのがわかりやすいでしょう。
計算力はどんな状況でも自分を裏切りません。
また、計算力があれば、高学年で習う特殊算をスムーズに定着させることができます。
そして、読書する習慣もつけた方が絶対に良いです。
簡単な読み物で構わないので、活字を読んで絵を想像する習慣を日常的に作れると良いでしょう。
博物館や科学館、実験教室に足を運んでみること
博物館や科学館で実際に体験をすることで、中学受験で扱う理科や社会の知識を格段にイメージしやすくなるでしょう。
他にも、牛乳などの工場見学や牧場でのふれあい体験を通して、現場で働いている人たちの話を直接聴くといったイベントへ足を運ぶのも良いと思います。
こういった体験は、学年が上がるほど勉強が大変になって参加しにくくなります。
できるだけ、低学年のうちに参加しておくのをおすすめします。
友達とたくさん遊び、失敗を経験すること
公園などで友達とたくさん遊びましょう。
泣いたり笑ったりしながらコミュニケーションをとることで、相手との距離感や会話の意図をつかむ練習をたくさんさせてください。
中学受験はもちろん、大学受験、就職活動、その後の人間生活は、問題作成者との対話によって成立します。
どんなに一生懸命に、一方的に勉強をしていても、相手との対話の距離感は身につきません。
また、受験勉強はトライ&エラーの繰り返しです。
友達との遊びの中で、時には失敗して怒られる経験を積んでおくことで、勉強でのトライ&エラーにつなげていけるようになっていきます。
まとめ・低学年では計算力と実体験、たくさん遊ぶことが重要
単純ですが、のちの勉強に最もつながりやすいのが「低学年では友達と思いっきり遊ぶこと」かと思います。
また「遊んだ分だけ、計算練習しようか!」であれば、メリハリが効いて集中しやすいでしょう。
勉強はどうせたくさんすることになります。
勉強に必要なスポンジのような脳みそは、友達との遊びや、読書、習い事を一生懸命やることで作ってしまうのが良いかと思っています。
そのような生活の中で、スラスラ計算できる喜びを知ったり、知的好奇心が刺激される体験へと足を運ぶことで、中学受験の成功以上の財産がその子の中に宿るのではないでしょうか。